jewelry kiho
宝石の豆知識 part5

手作り枠とキャスト枠
石を取り付ける前の何も付いていない枠を〔空枠(カラワク)〕と呼びます。
(通常、プラチナ or ゴールド or シルバーで作られたものを貴金属と言います)

ダイヤモンドなどの宝石と、この空枠をセットして初めて宝飾品となるわけです。

〔指輪などの空枠の作り方は2通りあります〕

手作りによるハンドメイド枠と、鋳造機によるキャスト枠に分けられます。
(洋服のオーダーメイドと既製服のようなものです。)

では、その違いと長所短所についてご説明します。 
ハンドメイド枠(手作り枠) 〔特徴〕
指輪などのデザインをおこし、その形通りに熟練した職人
が地金を切ったり、叩いたり、削ったりしながら手で作り上
げていく枠です。

出来上がりは、世界にひとつしかないアナタのためのオ
リジナル作品です。また装着感なども既製品に比べると格
段に上です。

好きな形に作れますので、どんな変形の宝石(ハート形の
ような)でも取り付ける事が可能です。

高価な宝石の場合は、ほとんどが手作りによるハンドメイド
枠です。

〔短所〕
工賃が格段に高い!!
材料費よりも何よりも、職人の工賃がかかります。
ですから低価格帯の石を、手作りの枠で製品にしようとす
ると石の代金の何倍もの加工賃がかかってしまう事が
あります。
キャスト枠(鋳造枠)  〔特徴〕
まず、型となる空枠を作ります。(通常シルバーで作ります)
この型の作り方はハンドメイド枠の作り方と同じです。
ここまでは、ハンドメイド枠と同じです。

違うのは、同じ型を量産出来るようにこの型をとっておく事
です。

この型を(ゴム切りや、ロウ型作り、石膏作り、脱ロウなど
細かい作業工程は省略いたします。)元に鋳造機により量
産するのです。

最初に型を作る工賃がかかりますが、例えば同じ枠を30
本作れば
工賃が1本につき1/30になるのです。非常に安価にな
ります。
またいつでも追加の生産が可能です。
ここ近年、キャスト枠製造技術の進歩はめざましく、単純な
枠でしたら、プロが見てもハンドメイド枠と見分けがつかな
い位です。

低価格帯の石にはほとんどキャスト枠が使用されていま
す。

※ですが、メレダイヤのセッティングや石留め、最後の磨き
は やはり職人による手作業が必要です。

〔短所〕
最近はデザインが多くありますがそれでもデザインが限ら
れます。
好きなデザインや、特殊な形の石留めは出来ません。

消費量が多く望めないと採算が合いません。
 現在は、自分のところでキャスト枠を作らなくても宝石業者向けに〔空枠屋〕が存在します。
そこには何千型のキャスト枠が置いてあり大変便利です。ですが基本はプラチナで作られて
おり、18金や14金、またはホワイトゴールドなどは作って置いていないのでオーダーになる
場合がほとんどです。ですから納品までに時間が掛かり、長いと3週間位待たされる事もあり
ます。
〔宝石の裸石(ルース)を買う時の注意!〕

自分の好きなルースを買って、オリジナルのアクセサリーを作ると言う事は大変な楽しみがあ
りますが、作る時の制作費も考えておいた方がいいでしょう。
(金に糸目をつけない!と言う方は別です)

キャスト枠でなるべく安く作るつもりなら、

●特殊な形の石(極端な長方形や、大きなハート形、三角形など)は避ける。

●腰の高い(厚みのある石)は避ける。

●事前に、キャスト枠で留められるか確かめる。

以上の事を注意すれば、問題はないでしょう。
(でないと、ルースは5,000円で買ったけど加工賃が50,000円!!なんて事が起こってしま
います。気を付けて!)

宝石の豆知識part1(宝石の値段の見方)へ行く
宝石の豆知識part2(鑑定書鑑別書保証書?)へ行く
宝石の豆知識part3(新品と中古品の簡単な見分け方)へ行く
宝石の豆知識part4(日本で買う宝石が世界一安い?)へ行く
宝石の豆知識part6(貴金属に使われる地金について)へ行く
宝石の豆知識part7(宝石の硬度)へ行く
宝石の豆知識part8(宝石の人工処理について)へ行く

宝石の取り扱い方はこちら

トップページへ戻る→